混ぜご飯
彼女の思い出、彼女を知ったのは、中学二年の時だった。同じクラスだった。
彼女は、わたしに「つき合え」と言った初めての人だった。わたしの答えは即答だった。「いやだ。」
(つづく)その寂しさとは、どういうものなんだろう。
彼女はクラスで目立つ存在ではあった。ほかの子のいじめの問題に口を出す。先生に、目つきが悪くなるから眼鏡をかけろと怒られる。「かわいいの顔が台無しだ」という、先生の一言が微笑ましかった。
それでも、わたしとは距離があったように思う。小学校は違うし、うちも、たぶん学校を挟んで向こう側だった。学校以外で見かけることはなかった。
わたしは、彼女が好きだったのかもしれない。というか、わたしと彼女は似ていたのかもしれない。わたしは気づかなかったけど、彼女はわたしをみつけた。いまのわたしは彼女を否定しない。それでも、あの頃のわたしは、彼女を受け入れられるほど、大人じゃなかった。わたしはただ、無邪気な子供だった。
- 作者: 末次由紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/02/13
- メディア: コミック
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