青空が落ちてくる。

are you thinking? われらはシンクタンク『世界征服倶楽部』

2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

  深海魚の見る夢 4

ユーシー、わたしを創ったのは、ユーシーなの? 鼓動が聞こえる。 身体が揺れたんじゃないかな。全身が痙攣したような感じだった。 やめてッ。 蹲って全身を硬直させる。 どうして? 反応がない。揺れはそこそこ収まったみたいだけど、終わりな気分にはなれ…

 深海魚の見る夢 3

暗い海、太陽の光から離れていくように潜っていく鯨の姿が見える。 小さい水槽でいい。水族館に行かない? たくさん水が見たい。魚の泳ぐ水は生きている水でしょう。ボコボコと空気を含んで、煽っているようにも見えるけど、泳いでいる魚たちを見ていると気…

 深海魚の見る夢 2

わたし達が出会ったのはバザールと呼ばれる商業地区だった。わたしは客で彼は売り物だった。 わたしは今、彼の記憶装置の中にいる。彼の記憶を覗きながら、時々彼に話しかける。けどまだ彼の声を聞いていない。それでも彼が聞いていることは解る。時々イメー…

 深海魚の見る夢 1

深海魚がそこを這うように、ほとんど動いているようには見えない。目を離して再び戻すと頭の位置が変わっているような気がするが、確信は持てない。 間違い捜しのようなものだだし、知りたいわけでもない。 「最近昔のことを思い出すのだけれど、なんかいい…

 流れよりも断面

そよ風を浴びながら流れている川を外から見るよりも、その断面をモニタ越しに眺めていた方が和むことがある。フィルタを抜けて流れてくる空気は、マイナスイオンで満たされているのだろう。 なにもかも飲み込んだの? どうして? 時には他人に泣きついてもい…

たぶん、この世界は意図的に滅びようとしているんじゃないかな。

帰る場所はないの? じゃあ来た場所は? まっ、いいか。あんなところにいたんだから、流れ者なんでしょ。違うなら違うって言いなさいよ。じゃないとそう思っちゃうから。帰る場所はないのね、流れ者だから。いい? 今日からわたしが、あなたの帰る場所になる…

 ダイヴ

ミハナはユーシーにアクセスを試みる。 おれを見ていた。 気づいていたの? その気はなかったんだけどな。惹かれたのは、君か? まさか買うかと思わなかったけどな。 気になったの、だから。 もう一度通ったときになかったら気になるでしょう。 待っていた?…

 鬱金香

ジェニー、ああいうの、他人を弄ぶのいい加減にしたら? そのうち痛い目をみるから? うん。 みてみたいの。 * 鬱金香(チューリップ) 死ぬのは恐くない。恐いのはそれに伴う痛みだ。 ジェニーの肉体は存在しない。精神系の身体を渡り歩いている。痛みは感…

at last

Sex 7 (ヤングサンデーコミックス)作者: 上條淳士出版社/メーカー: 小学館発売日: 2005/05/02メディア: コミック クリック: 19回この商品を含むブログ (37件) を見る

ジェニーは娼婦型、彼女はそのボディが気に入っているらしい。 その話、 男という存在をどう思っているかってことかな。わたしは男が好きなんだ。身体は選べるけど、 自虐的なのかも知れないけど、自己分析はしない。これでいいと思っているし、満足している…

二三歩後ろに下がって壁づたいに崩れ落ちる。 おぼつかない足下がずれて、 滅びればいい。あのときはそう思ってた。 今は? 解らないんだ。 どうして? それが解らない。教えてくれよ。 別の存在になろうとしても、所詮無理なんだよ。ユーシー、 どうして安…

どうして見つからないの? ここにあるはずなのに。 建物の構造を考えれば、そこに扉はあるはずだった。 どうして、 そこだと思った場所には白壁があるだけだった。 呆然として、膝が落ちる。 だったら手当たり次第に探すしかない。 振り向きながら立ち上がっ…