青空が落ちてくる。

are you thinking? われらはシンクタンク『世界征服倶楽部』

エレベーターの扉の向こうにはエレベーターの扉が開いている。(unde

登り切ったエスカレータの向こうにエレベータがあった。扉は開いていて、小部屋のような内装が窺えた。
「ユーシー、走って」
ミハナはユーシーの肩を押す。ユーシーは押されながら振り返る。
「ミハナは?」
「躊躇ったらおわり。行って。わたしには戻る場所がない」
「ジェニーは?」
「チェスがもういない。だからジェニーも存在しない。頼むから行って。ユーシーだけでも現実に戻って欲しい」
「ミハナ」
視線を送るミハナは早く行けと訴えている。
「ミハナは初恋の娘に似てたんだ」
「はあ?」
ミハナが表情を失うと、ユーシーは親指を立てた右手を突き出した。
「ありがとう」
ミハナの声に反応するようにユーシーは走り出していた。エレベーターの扉を目指して。
ユーシーの背中を見送りながらミハナは視線をエスカレータに向ける。走り出す。
(そこから降りてくる影からユーシーを守るために。)





「チェス、ユーシーを攻撃しないで」
撃たれるタマゴユニット。
(タマゴユニットはユーシーのアクセス)
ミハナがうなだれている。
「どうして?
 どうしてわたしがまだ生きてるの?」