青空が落ちてくる。

are you thinking? われらはシンクタンク『世界征服倶楽部』

ルージュの24

「チェスは何か知ってるんでしょう?
しらばっくれると思ってた」
チェスは、足首に微かに触れるように毛を靡かせながら回っている。
下僕のように振る舞いながら、あなたはわたしを支配しているつもりなのかも知れないけど、わたしはいつもあなたの手の内からすり抜けることを考えている。知ってるでしょう?
ルーレットは楽しいけど、少し飽きてきた。
「気になっていることがあるの」
「エレベーターのことか」
「そう。で、今夜はバザールでその鍵に出会うわ」


手元に、賭けた十倍のチップの山が向かってくる。
勝たせ過ぎじゃないかな。これじゃ飽きるって。


そう思ってるならお門違いだ。運だよ。素直に喜べないかな。


ミハナの気持ちはダイレクトにチェスに伝わる。それにチェスが反応していた。


ほんとう?
「あなたが余計なことをいうから。おれが勝たせてやるから、とか」


締めた唇が歪む。
言いながら面倒になっている。