青空が落ちてくる。

are you thinking? われらはシンクタンク『世界征服倶楽部』

雨のち曇り。



『物語の中のわたし』
通勤電車の中で彼女は、ニューウェーブ、今もその言葉は有効なのだろうか、その世界で話題の新人賞を受賞した単行本を読んでいた。旅の男は長距離バスに乗り、ただどこまでも目の前の路が左右に分割している荒野を眺めていた。活字を目で追っていく中で、物語の中に彼女自身がいるのに気が付いた。
「あんたどっから来たんだい」
「バスターミナル、あなた乗ったところは」
「おれんちだよ、バスがうちの畑の間を通ってるんだ」