曇りのち晴れ。
クリニックの待合室はいつも静かだ。ほとんどの患者が一人できているということもあるだろうが、神経科という肩書きがそういう雰囲気を求めているようにも感じる。
それはわたしにとって初めての異変だった。ひたすらしゃべり続ける少女? それを明らかにうっとうしいと思って受け答えしている母親が付き添っている。
話に耳を傾けていると、彼女は拒食症のようだった。吐くのが怖いから、空腹を感じているけど食べれないとか細い声で言葉を変えて云い続けている。あのときには戻りたくないと、
うちにいればよかった。
だったらどうしてきたの。
先生が来なさいっていうから。
だったら静かにしていなさい。
気持ち悪い。
埒があかない。死にたい奴は死ねばいい。ただ、他人を巻き込むのは止めろ、と思う。
死んだほうが楽かも、死んでもいい、死ぬの手伝って。
ふざけるな。あんたのほうが重いかもしれないけど、こっちだって、こっちはこっちで、ぎりぎりをやっと抜け出しかけている。抜け出しかけて、また壁にぶつかった。わたしは死ぬのは怖くない、でも、今は、