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<トルコ反政権デモ>軸足「反エルドアン首相」へ

毎日新聞 6月4日(火)23時4分配信

 【エルサレム大治朋子】トルコの反政権デモは3日深夜から4日にかけても続き、地元メディアによると、首都アンカラでは警官隊との衝突で新たに500人、トルコ第3の都市イズミルでも300人が拘束された。デモは都市部の若者層を中心に拡大し、その軸足は「反政権」から「反エルドアン首相」へと移りつつある。

 地元メディアによると、左派系の公務員労働組合(組合員24万人)は警官隊によるデモ鎮圧に抗議し、4日から2日間のストライキに突入した。また、南西部アンタルヤの行政当局は4日、警官によるデモ隊への放水に疑義を唱え、地元消防局管理の水を使用させない方針を決めた。こうした流れを受け、アルンチ副首相は同日、記者会見で「(警官隊による)行き過ぎた暴力は不当であり、市民に謝罪する」と述べ、火消しを図った。

 一方、デモの中核をなす若者はここ数日、「反エルドアン」の旗印をより鮮明にしている。デモが拡大したきっかけは、5月31日から1日にかけての警官隊による催涙ガスや放水車を使った対応だった。ギュル大統領は1日、エルドアン首相や内務相らに警官隊の撤収を提案した。

 デモはいったん鎮静化の兆しを見せたが、エルドアン首相が3日、モロッコへの外遊を前に開いた会見が波紋を呼び、デモ再燃への流れを加速させた。首相は警官の対応について「ゆるやかだ」と強調。さらに、「国民の半分は(前回の選挙で首相の率いる公正発展党に投票して)支持しており、彼らを何とか自宅にひきとどめているところだ」と述べた。

 この発言は、政権党の支持者を街に出せばデモ隊との衝突は避けられないが、政権としてそれを抑えているとの趣旨と市民に受け止められた。「市民を脅すような発言」と批判が一気に高まり、「反エルドアン」の声が高まる要因となった。