その時清盛は三十歳、正四位下安芸守であった。
(双調平家物語7保元の巻「思惑」より抜粋)
…すでに頼長は、向かうところ敵なしであった。小さなつまずきは、その三か月後に起こる。
事の発端は、鳥羽院のご親任篤かった平忠盛の息子清盛が、祇園の社で乱闘騒ぎを起こしたことである。
…
その時清盛は三十歳、正四位下安芸守であった。祇園社を信仰する清盛は、事あるごとに願をかけた。願果たしには、田楽を奉納した。その日も、本来ならばただそれだけの一日であるはずだった。
- 作者: 橋本治
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/10/24
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (6件) を見る