青空が落ちてくる。

are you thinking? われらはシンクタンク『世界征服倶楽部』

ローストポーク

(双調平家物語8保元の巻「つわものぞろえ兵揃」より抜粋)
関白の関知しえぬこと−それが合戦である。自身の関知しえぬことが眼前にまで迫っている。これが、関白忠道の動揺の正体だった。
東国育ちの飼い狗は、傲然と面を上げたまま、自身の言に昂揚して膝を震わせている。その横に控える今一人の武者は、平然として動ずる色も見せない。
清盛の父忠盛は、義朝が上京した年に世を去った。三十九歳の清盛は、義朝より五歳の年長。伊勢平氏の棟梁となった清盛は、都育ちの武者としての誇りを見せ、関東武者の興奮からは冷たく距離を置いている。