シーフードフライ
(双調平家物語8平治の巻I「斬首復活」より抜粋)
都の男達は、決して成り上がりを認めない。表に迎え、裏では平気で斥ける。清盛は、六条流の衰退をよく知っていた。鳥羽院のご寵を受け、家成の一人が時めいた。家成が世を去った時、報われなかった彼の兄弟は、新院の御所にその身を沈めるしかなかった。朝廷で官位を上せ、「公卿」となるために必要なものは、一族なのである。一人の栄達は成り上がりだが、一族の栄達は一族の栄達である−都の貴族達はそのように受け止める。
双調平家物語8 - 保元の巻(承前) 平治の巻I (中公文庫)
- 作者: 橋本治
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/11/24
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