思い出に浸るのは好きじゃない。(underconstruction20040501)
「チェス、出かける」
負けた日の帰りはいろいろと考えてしまう。
勝ててれば気が休まっていたかというと、違うかもしれない。
わたしは消費しているだけで、なにも生み出していない。資産は増えるかもしれないけど、それをなんに使うだろう。あてなんてないんだ。エネルギーが無目的に肥大化しているようなものだ。
子供に夢を託すのは、子供を生み育てること以外なにもできなかったと思うからじゃないかと、ふっと思った。
やめて。それ以上は想像したくない。
「チェス、帰るわ。チップを下げて」
チェスは回転を速めただけで、返事を声にはしなかった。
「なにか食べましょう」