partly cloudy.

• ALL-FREE 350ml (SUNTORY)×2

着るものがないことに気づいたのは、クローゼットを開けてみてだった。彼と寝たのはシャワーを浴びてからだったから、着ていたものは、その前に君がクリーニングに出したのを思い出した。一昨日の夜から君を誘おうと決めていた。だからそれなりの下着を選んで着たのだけれど、ルビー色のそれを纏ったわたしを君見せることはできかった。わたしの着ていたものは一式、袋に入れられクリーニングに出されていった。君が「帰るときには仕上がっているよ」と明るく言ったのを憶えている。そして君も、あの下着もこの部屋には無くなっている。なんだか一人置いてきぼりにされているような気がした。