いったいどうなっている。
「一つのカラダに二つの意志は存在できない」
ユーシーの言葉はどこに響いているのだろう。
「どういう意味?」
見返す先には、たぶんなにもない。だから迷うのだ。なぜここにいるのか、どうしてここにいるのか。
ミハナの指先が、ユーシーの手の甲に触れる。
ハッとして頭を上げる。ミハナの手を握るユーシーは、彼女を見つめたまま唇に笑みを浮かべた。
「で、どうなるんだ?」
ユーシーはミハナを見つめたまま、唇は無表情だった。
「融合して別の人格に、ユーシーはユーシーじゃはなくなる、わたしも。ユーシーはそれでいいのか?
ユーシーはそのつもりでわたしを連れてきたのかもしれない。でも、わたしが拒絶したら?」
そんなことまで考えないか。ここでのあなたは絶対なんだよな。
「もう遅い。扉は閉じてしまった」
ユーシーの手が肩に掛かると引き寄せられた。抱きしめられる。暖かい。
「このまま…。
このままべつの、になる?」
「ジェニーがおれを受け入れてくれれば」
「ミハナじゃない?」
「彼女はいなかったんだ。ジェニーは今ここにいる」
ユーシーはどこにいる?
その問いに答えはなかった。