青空が落ちてくる。

are you thinking? われらはシンクタンク『世界征服倶楽部』

 ユーシーの見たエレベータの向こう

エレベーターの扉が開く。
そこから出てきた女は、ブロンドの髪を靡かせながら視界から消えた。
一瞬の出来事だった。
伸ばしかけた指先は、毛先を逃し空を掴んだ。靡くブロンドの毛先が指先に絡まる、瞬間の景色が視界をかすめていった。
振り向いたときにはもう、視線は、ブロンドを靡かせる背中が遠ざかっていく様子を追うだけだった。


「それだけ?」
「探しているんだ」
「それで、わたしと見間違えた」
「髪が違う。ミハナの髪は黒かった」
そう言いながら、見間違えたのは嘘じゃなかった。
髪の色も、瞳の色も違う。それでもその表情は、記憶の中のそれと同じだった。


「髪の色なんてどうにでもなるわ」
「そうなんだ。だから、それが違う理由にはならない」
「そうね。それであなたはどうするの?」