青空が落ちてくる。

are you thinking? われらはシンクタンク『世界征服倶楽部』

「ねえ、訊いていい?」
「なんだ?」
「考えてるの、ここに来てから。ここに来たとき、わたしの姿は違っていた。ユーシーはわたしをミハナって呼んだ。わたしはその名前を知らなかった。ボディーを変えたことはあるけど、それは自分が気に入ったのに変えるの。でも変えられたことはない。
これってわたし自身が弄ばれたってことじゃない?」


「答えたくないなら答えなくてもいい。でも、これは教えて。ミハナって何だったの?」


ジェニーの意識がミハナだった可能性。チェスは教えてくれなかった。知らなかった。
出会うべき人たちは出会うべくして出会う。
「そこにいるの?
 偶然じゃないのね。知っていたの?」


自己犠牲、自殺、そんなの嫌だ。誰かのために、自分の命を捧げるかもしれない。でも、自分の意志は自分のものだ。誰にも渡せない。わたし自身をほかの誰かの代弁者にすることはできない。
「おかしいよ」
「意志は成し遂げられるべくしてあるもの」
「だから、べくって誰の?」
無駄だろうか。その問いかけは。でも、ここで彼らにわたしを殺すことはできない。わたしにもそれなりの覚悟があるし、やってみたら。