青空が落ちてくる。

are you thinking? われらはシンクタンク『世界征服倶楽部』

 思考の先に見える影

ユーシーだったんだ。わたしを狙ってたのは。
チェスとの接続を分断されて、ミハナはチェスに裏切られたと思った。
チェスはジェニーの身体を欲しがっていた。すべてがチェスの企みだと思った。
それでも、チェスはそれをしない。それをすればチェスは存在できない。
だから、自分を切り離されたチェスはジェニーのボディに自分の意識を移そうとした。


「どうして?」
「ミハナ、君は、この世界に紛れ込んだ不純物だから」
ユーシーの声はミハナの意識にダイレクトに伝わってくる。
「彼女が好きだったんでしょう」
「この世界で彼女は死んだんだ。だからこの世界には存在しない。だから君はミハナじゃない」
「そうかもしれないけど、わたしは? ユーシー、あなたの意識が望んでいたからじゃないの?
わたしはここに存在してちゃいけないの?」
「決めたのはこの世界の意志だ。おれじゃない」
「ユーシー、あの壁の広場からわたしとここまで来てどうだった?」
ユーシーは微かに、唇に笑みを浮かべた。