青空が落ちてくる。

are you thinking? われらはシンクタンク『世界征服倶楽部』

(underconstruction20040429)

エスカレータで階を移りながら、各階のフロアをくまなく見回す。
どこ?
エレベータの扉を探している。あのフロアにだってあるはずなのに、見つけられなかったことがまだ引っ掛かっている。
それがあるのかないのかは関係ない。
「あるんだ」
「だったら探そう」
「どうして?」
彼が振り向くと、彼女は彼を見ていた。
「見つけてどうするの?」
「…なかったら…」
首筋に流れる血の流れはわずかだったが、椅子にもたれた彼は遠い目をしていた。
「どうして?」
彼女は呟く。彼女は何もしていない。手に触れるようなことは。彼が勝手に彼女にアクセスを試みたのだ。彼女はそれを規則に従って、…
また面倒なことになるのだろう。
こんな娼婦を雇う、そんなやつがここらにいるはずはなかった。


「今晩わ、ラチェス」
「先に聞かせて」
彼女の声は強ばる。
「だれ?」