青空が落ちてくる。

are you thinking? われらはシンクタンク『世界征服倶楽部』

帰る場所はないの? じゃあ来た場所は? まっ、いいか。あんなところにいたんだから、流れ者なんでしょ。違うなら違うって言いなさいよ。じゃないとそう思っちゃうから。帰る場所はないのね、流れ者だから。いい? 今日からわたしが、あなたの帰る場所になる。って言うより、わたしがあなたのところへ帰ってくる。あなたに意志があるなら、答えて。 あなたの意識にアクセスする。ブロックは意味ないわ。所詮データの固まりだものね。生きてなければ、死体からはぎ取るのと変わらない。死んだ脳は解析できないけど、データなら読むことができる。わたしのは有機チップだから簡単にはアクセスできないみたい。まあ、まだ生きてるから、だからってこともないけど。腐って朽ちていくってどういうことなんだろう。 ただリンゴを置いておくって芸術があったって。腐っていく様を眺めているのが芸術? どうして食べなかったの? 歯を立てて、子供の頬のような皮に、シャリッと音を立てる。すくい取られた繊維の実は口の中でかみ砕かれていく。 食べる? 彼と向かい合うのは日記を書くのに似ている。鏡に映る自分と話すようなものだ。彼はそこにいる。それは解っている。でも、わたしが話しかけてもなにも起こらない。それが現実。無理矢理起こそうとも思わない。ただ、彼がわたしの声に耳を傾けていると信じたいだけだったりする。永遠の独り言。それがわたしが彼に向かう時間。 その間、チェスはわたしに、彼に嫉妬する。足下でいつまでも、わたしがいい加減にと言うまで回り続けている。 いい加減に、