青空が落ちてくる。

are you thinking? われらはシンクタンク『世界征服倶楽部』

 図書館

○ 読書室


ミハナが本を読んでいる。隣に座るユーシー。
ユーシーの存在に気付くミハナ。顔は向けない。お互い振り向かず、


ユーシー「妙な噂を耳にしたんで確かめに来たんだ」
ミハナ 「誘ってるの?」
ユーシー「まあね。興味ないか?」
ミハナ 「いつから詮索好きになったの?」
ユーシー「面白そうな話じゃないか」
ミハナ 「それがわたしにも面白い話なんだ」
ユーシー「だと思う。裏庭にエレベーターがあるって知ってるか?」
ミハナの視線が堅くなる。
ミハナ 「エレベーターがどこにあっても、」
ユーシー「この校舎は六階建てだろ」
ミハナ 「なにが言いたいの?」
ユーシー「六十階以上あるんだ。不思議じゃないか? どこに向かってるかが興味がある」
ミハナ 「…」
ミハナはユーシーを見つめる目を反らさない。
ユーシー「カウンターがデジタルで三桁まで行くっていうんだ」
ミハナ 「どこで聞いたの?」
ユーシー「そういう噂なんだ。行ってみないか?」


ミハナは本を閉じると、椅子を下げて立ち上がる。椅子を机に戻して受付の方に向かう。ユーシーもミハナに続く。


ミハナ 「でも、そんな話聞いたことない」
ユーシー「生徒会だろ」
ミハナ 「噂は知ってるけど、ちゃんと聞いたことはなかったから、だからそういうもんだと思ってた」
ユーシー「おれが見てきたって言っても信じないだろ」
ミハナ、立ち止まる。
ミハナ 「行ったの?」
ユーシー「誘ってみたかったからな」


○図書館(外観)
扉から出たミハナとユーシーは、並んで階段を下りていく。