青空が落ちてくる。

are you thinking? われらはシンクタンク『世界征服倶楽部』

 映画を見たのは午前中だった。

チャリオッツオブファイヤー、音楽がバンゲリスで、オリンピックが舞台のイギリスのランナーの話だった。ストーリーよりも、テーマ曲に乗って主人公達がトラックを駆け抜けていくシーンが印象的な映画だった。
映画館から外に出ると、晴れた日常に再び引き戻されたような気がした。
それから、どこに向かう出もなく、日比谷から上野まで歩きながら言葉を交わしていた。映像を受け止めるための、閉ざされた空間ではほとんど話す事もなかったのに。
なにを話したのか、普段感じていることとか、将来のこととか、たわいもない、でもまじめな話。何時間も言葉を交わし続けていたのだから楽しかったんだろう。そして思うのは、映画を見に行ったのはその時だけではなかったことと、学校では普段話すこともないのに、お互いを知っていたような気がするけど、二人はつき合ってたんじゃなかったってこと。