青空が落ちてくる。

are you thinking? われらはシンクタンク『世界征服倶楽部』

 鏡

壁にはモニターが組み込まれている。窓のように枠のある横長の長方形に映る景色は、時間と共に変化していく。気分に応じてテーマを選ぶことができる。環境ビデオが写されているような感じだけど、聞こえる音の中には解説も効果音もない。あくまで窓としてそこにあるようだ。その窓の向こうには、人類の知る世界のあらゆる景色を映すことができる。旅することができるということだ。南米の天空都市マチュピチュ南極大陸、火星、日常とはかけ離れた景色から選び始めたけど、結局一番気に入ったのは見慣れたこの部屋だった。鏡の向こうのわたしが笑みを浮かべている景色だ。
夜になったらシャンパンを開けよう。夜の摩天楼を見下ろしながら浸るのだ。鏡の向こうに映る闇、たぶん、そのむこうにはわたしが映っている。