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トルコ:芸術家らも抗議デモ
毎日新聞 2013年06月07日 11時10分(最終更新 06月08日 01時17分)

イスタンブール大治朋子】トルコ各地で続く大規模デモの開始から1週間を迎えた6日夜、政権による「表現の自由の弾圧」や映画館の閉鎖に抗議し、芸術家ら1000人余りが大規模な抗議デモを行った。映画製作者の一部グループは今回のデモ隊と警官隊の衝突を記録した市民の映像や写真を集め、7分余りのビデオを作製。「世界に実態を伝えたい」と訴えた。

 一方、7日外遊から帰国したエルドアン首相は演説で反政権デモは「直ちに終えるべきだ」と対決姿勢を強調。首相退陣を求める数千人規模のデモは同日未明も続き、騒乱の長期化は避けられない見通しだ。

 大規模デモが始まったイスタンブール中心部にあるタクシム広場に隣接するゲジ公園。デモ隊と警官隊が衝突するきっかけは、この公園の樹木伐採だ。エルドアン政権はショッピングモールを建設する計画で、環境保護団体などが抵抗。公園は泊まり込みで抗議デモを続ける若者らのテント数百で埋まっている。

 一角に「映画製作者の抵抗」と書いた看板が立ち、水やビスケットが振る舞われている。「費用はポケットマネーだけど、市民も食料を提供してくれます」と映画プロデューサーのギュリン・ウスタンさん(45)。

 イスタンブールはトルコの文化拠点で、イスラム主義のエルドアン政権と対立。事前検閲で「政府を批判している」などと指摘され、「発表できなかった作品は数えきれない」(ウスタンさん)。

 6日午後7時過ぎ、1000人余りの芸術家たちのデモ行進が始まった。「芸術作品に口出しするな」。上空を警察のヘリコプターが旋回すると一斉にブーイングが上がった。参加者の一人は「今回のデモは規模も熱気も違う。抑えられてきたマグマが一気に爆発したようだ」と話した。

 「いま、世界が注目してくれている。だからすべてを記録に残そうと考えました」。映画プロデューサーの男性(34)はそう語り、7分ほどのビデオを見せてくれた。

 映像は5月27日、行政当局がゲジ公園の4本の木を伐採し、市民が抗議するシーンから始まる。逃げ回る女性に至近距離から催涙ガスを噴射したり、デモ隊のテントに火を放ったりする警官隊の「過剰な対応」を記録。男性は「この映像が、変化につながると期待したい」と話した。ビデオは「The First Week of Resistance in Istanbul」(イスタンブールでの抵抗の最初の1週間)のタイトルで、動画サイトなどに掲示されている。