青空が落ちてくる。

are you thinking? われらはシンクタンク『世界征服倶楽部』

 ユーシーがミハナに問いかける。

「お前、利用されてたんだよ」
「そんなの知ってた」
「お前を辿って、やつはおれをハッキングしようとしていた。それが玉子の正体だよ」
「あなたはそれから、わたしを逃がそうとしていた」
「そのつもりだったけど、奴はお前を防壁に使ってたから、ターミネートしたのは悪いと思っているが、仕方がなかったんだ。ここは大切な場所だから」
「あなたにとってはでしょう?」
「ここにいる君も終わりだったんじゃないかな」
ミハナはユーシーをマジマジと見つめて、ため息をつく。
「冷静なんだ。わたしはだめ、すぐ熱くなる。
君は知らないかもしれないけど、チェスとわたしはうまくいっていたんだ。だから、よく解らないんだ」




「それでも、所詮奴は奴隷商人みたいなもんだろ」
「現実はそうだったのかもしれない。でも、そういう言い方はやめて。わたしとチェスはチームだったの。チェスがほかで財テクとかしてたかも知れないけど、わたしはここにいることで意義が見いだせると信じたかった」


それは一度終わっているから?
そうかも知れないし、そうじゃないかも知れない。目の前のことに対して、いちいち過去を思い浮かべたりしないもの。現実ってそういうもんじゃないのかな。
ここからどうするか、その先のことを見ているの。