青空が落ちてくる。

are you thinking? われらはシンクタンク『世界征服倶楽部』

夏の日差しと戦うか、受け入れるか。
窓から差し込むあかりが連れてくる熱の重さを感じ始めると、空調の整備を急がないとと思いながら窓を開ける。

わたしはあなたの扉を開ける努力をしていない。ただ待っている。

わたしの話をしようか。でも、自分の話を改まってするのは好きじゃない。でも、時々気まぐれにこぼして、気が付いて話を濁すんだ。
親が死んだことを知らされたとき、悲しい気持ちはあったけど、気が楽になったっていう気持ちもあった。これで余計な心配をしなくていいんだっていう、余計じゃない心配なんてなかったのにね。そうじゃない。自分から男と別れた後だった。だからかな。
あの人達にはなにも、返せなかった。
そして、わたしはなにも残さない。
そんなチェスがどうしてわたしを囲っているのか、知らない。なんの得にもならないのに、彼はわたしに親切にしてくれる。わたしも楽しいからつき合っている。
わたしはなにもしないことで、彼のためになっているらしい。それが不思議だけど心地いい。
チェス、わたしはあなたのためになにもしない。
そのかわり、コールガールの交換ボディ、ジェニーに乗り換えて遊びに出てくる。その時チェスは連れて行かない。お留守番。
コネクションは切れないから、寝ないで待っていると、時々歯ぎしりしているかも知れない。
そのことについて聞いたことはない。ジェニーのボディに何かあったら、その時が警告なんだなって思おうと思っている。

最近ある子のことを思い出すんだ。中学の頃、よく遊んだの。




失われた記憶は失われたままで、取り戻せない。たぶんそれは永遠だ。

    *

今君はわたしで外の世界に繋がっている。
このまま世界の外に出て行ってしまうことは恐くない?

君の答えを聞くまでもない。わたしの記憶は君の外からもたらされ、今も外の世界と繋がっている。君はわたしと唇を合わせれば、もっといろんなものが君のものになる。

でも、その先の世界を、君が想像できないなら、それを望んでいないなら、手を出さない方がいい。
飲み込まれてしまうだけだから。戻ってはこれない。


夢見たでしょう。
黄金伝説なんてもうないんだ。
だって、もうお金がないんだって。