青空が落ちてくる。

are you thinking? われらはシンクタンク『世界征服倶楽部』

 骨

校舎の裏にエレベーターがあるんだ。
裏庭の向こうには川が流れている。対岸にはグラウンドが、野球場やサッカー場など広がっている。
校舎の上から透明なチューブ内を上り下りするボックスはエレベーターというか、タイムボックスのように見える。床がプレート状で、装置が集中しているように見えた。
エレベーターに乗り込んだミハナとユーシーは、青空に落ちていくような感覚を覚える。自分の意志ではない、気がついたらそうなっていたような感じだった。

見知らぬ部屋のベッドでミハナは目覚める。
そこでは彼女の秘書のような小型ロボット、チェスが生活のすべてを仕切っている。ミハナはここでの生活がいつから続いているのか知らない。初めて起きた時も、チェスはいつものように彼女の食事を運んできた。窓の外は暗い。
チェスが出かける時間だと言って、ドレスを持ってくるが、なんとか話を聞き出し、Tシャツとジーンズで出かけた。
出かけたのはカジノだった。チェスに進められるままルーレットで賭けてみる。
当たったり、負けたり、結果はとんとん、ちょっと勝ったくらい。ハンバーガーでも食べるか。
昨日のやつは大負けだったって、呟いたチェスの独り言がちょっと引っかかる。

カジノを出るとリムジンが待っているが、明るくにぎやかな、道の入り口が気になって、チェスを振り切って向かう。カジノの裏に広がっているバザールだった。
時折目がつく交換ボディーがミハナの目を惹く。人身売買みたいだ。
でも心はついてこない。君が彼になるんだ。そういうことを試してみれるってことだ。

ミハナはユーシーを見つける。
ユーシーのボディーを購入したミハナは、チェスの反対を押し切って、ダイレクトにアクセスする。
ユーシーのボディーには、ユーシーの意識が残っている。
ユーシーの意識の中で再会したミハナとユーシーは彼の意識世界の中で、
そうしないとチェスに妨害されるような気がした。
出口になるエレベーターを探そうと、部屋の窓を破って外に出る。

そのとたん、追っ手探索用のロボットが発令する。
一発目が逸れたのは偶然だったろう。でもそれはミハナの服の裾に穴を開けた。
走れ!

エレベーターの扉を見つける。
二人が飛び込むとデータ送信を始める。それを見て、ミハナは「落ちる」


ユーシーの記憶の中で接触した二人は、そのままエレベーターの扉を探す旅に出る。チェスによる障害を乗り越え扉を見つけた二人は、その向こうを目指す。
図書館で昨日見た夢を語り合う二人の姿があった。
今の方が夢でもおかしくないんじゃないかな。


感じは思うもので、感じられないものもある。