青空が落ちてくる。

are you thinking? われらはシンクタンク『世界征服倶楽部』

(underconstruction20040401)

チェス、わたしが終わりにしてあげる。望んでいたんじゃないの。
生きるってなんなの。わたしは違う、今は。
それには勇気がいるの。


チェスとのコネクションを断つミハナ。
ミハナがそう思えば、システムは動き始める。


そして、わたしはベガスから出て行く。
ユーシーはわたしが拾った世界で、その意志は死んでいた。けど、記憶は残っていたの。意志だけ残っているわたしと反対。融合するのは簡単だった。
でも、それはあなたに気づかれるかどうかは賭だった。自分で自分に嘘をつくようなもんでしょ。


ジェニーは擬似的に存在するわたしの友達だから、時々ハッキングしていた。
チェスは彼女を置いておくことでわたしの機嫌を取ろうとしていたのかもしれないけど、ルームメイトを監視役としておいていただけだったのね。
わたしがなにをしたの?
記憶がなければなにも解らない。それがわたしに科せられた罪なの? それとも、矯正されているのだろうか。
どちらにしろ、わたしは今考えている。今は終わらなければならない。
チェスとの会話は駆け引き。それは彼も解っていると思う。だから時々出鼻をくじかれる。
ベッドでゆっくり眠りたいだけなの。






降りてくるエレベータ。
扉の前で待つ2人。ミハナとユーシー。ミハナは彼に誘われて、そこに来た。
開く扉に乗り込む2人。
「空に落ちていくんだ」
透明なエレベーターのボックスは上昇を始める。加速する。
見上げると、青い空に飲み込まれていく感じがした。




ジェニーは悪くない。彼女はわたしを気遣ってくれる。
でも、それが辛いって時もある。
彼女はわたしの意識にシンクロして、わたしがいいように受け答えてくれる。それ解るから。機嫌伺いはいらないと思ったときから、彼女はわたしの敵になった。


その中でわたしはジレンマに陥る。
わたしはわたしでしかないのに、いる場所はその場しのぎのように変わっていく。


わたしはわたしだ。でも、もうここにいいられない。
「わたしがここにいる理由はなに?
わたしはなにをしたの?」
それを知って、すべてをあきらめるの?
「そう。わたしはここにいちゃいけないんだ。たぶん、それに気づいたから」
「ジェニーは終わる」
「それだけじゃないでしょう。チェスに連れられてルーレットをするのがつまらなかったわけじゃない、けど」
「永遠に耐えられなくなったんだ。そういうことなんじゃないかな」

わたしの罪はなんだった?
誰を殺したの?
自分を殺した罪。ミハナは自殺の罪でベガスに送られた。ただ、その前に誰かを殺しているかは知らない。
許されることじゃないわ。
だからわたしはここにいる。
そうね。そのまま朽ち果てるの。
新聞記事には目を通す。金銭目当ての殺人、虐待、報復、正義のために人を殺すのか? その時には正義ではなくなっているだろう?
「人を殺してなにが正義だ。命は駒じゃない」


自分の胸の中にいる、手の内にある命を人だと思えただろうか。


忘れない、その時ことは。刃が胸に刺さるとき




「解ってる。でも、わたしはあなたのためには死ねないの。罪を背負うことも学んだと思う。だから、そうしていくことにする。謝らないよ。ゴメンね」


わたしは存在手いるけど、チェスは実は存在していない。
わたしはそう思っている。


死んでもまた戻ってきてしまう夢。シジュホスの夢は終わらないんでしょう。永遠に。
ミハナの夢は、チェスとのコネクションを断ち切らなければ、永遠に終わらない。


死にたいと思ったことはあるけど、殺されるのはまっぴらだと思った。
いきなり撃たれたとき、思わず避けていた。
どうして進んで死ななかったの? 内なる自分が問いかける。
思わずよけちまった。避けられもんに、進んで当たる奴はいないだろう。
生きると死ぬとかそれ以前の問題だと思った。
おれが死ぬなんて信じられなかった。




死ぬときは簡単、簡単にあっけないって死んでしまう。でも、それは思いのあっけなさとは正反対に重く心にのし掛かってくる。
でも生きるんだ。それだけだ。
生き続ける方が大変だって、解っていても?
きめたから。ここで生きていくんだって。


おびえる面を追いつめたんじゃない。


「誰と話してるの?」