青空が落ちてくる。

are you thinking? われらはシンクタンク『世界征服倶楽部』

 夢であれば、

ミハナはジェニーと呼ばれていた頃の記憶に辿り着くけれど、ジェニーの意識も、チェスが交換ボディーに他から持ってきた人格を移植したのだと知る。
「(人類の)歴史を見るといい、だがそこに君はいない」
「いや、かならずいるはずだ。見つけてやる」


誰が話してる?
チェスとジェニーなの?
わたしはそこにいない。
それってどういうこと?


誰か答えて、答えなさい。
誰も答えない。答えを求める木霊がどこまでも響いていくようだった。


ミハナ「わたしはどこから来たの?」
チェス「ジェニーはジェニーだった」
ミハナ「だったらどうして、ユーシーの中にわたしがいるの」


チェスはマスターがいないと生きていけない。前のマスターとのコネクションが切断されたとき、チェスはその時マスターに捨てられた。新しいボディーとチップを組み合わせたのが、チェスにとってのジェニーだった。彼女の過去はチェスにはどうでもいいことだった。チェスの前で、ジェニーという存在は生まれたのだから。




ミハナは、なにもかもユーシーの夢であればいいと思った。そうすれば、ミハナは夢の主人公で、目覚めればユーシーに戻れる。ユーシーが、自分がミハナになった夢を見ていただけなのだと。